急展開するシドニー慰安婦像設置問題


2016年8月8日


AJCNは5月中旬から、韓国の政治団体挺対協(挺身隊対策協議会)の影響下にある反日韓国人グループ FWCA (Friends of ‘Comfort Women’ in Australia) による慰安婦像設置計画に対し反対活動を行っています。この反日グループは、昨年12月28日に日韓両政府で合意したいわゆる”慰安婦に関する日韓合意”に反対し、彼らの言う真の解決を主張、一部の元・韓国人慰安婦を抱き込んで韓国国内で激しい反対運動を繰り広げ、韓国政府と厳しい対立関係に入っていることは皆さんご承知のことと思います。
海外においても、韓国の反日洗脳教育により、事実をまっすぐ見ることができない視野狭窄に陥っている若い韓国人たちが、欧米で反日韓合意のキャンペーンを展開しています。シドニーでもそれに同期して、水曜デモ、アングレーム漫画展への慰安婦関連作品の展示イベント、反日映画「鬼郷」の上映会など企画し、実施中です。


1. 慰安婦像お披露目セレモニー

反日グループは、8月6日に慰安婦像を韓人会館に保管するので除幕式を外部で行いたいと、管轄のCanterbury-Bankstown Councilに申請を出しましたが、市は以前よりAJCNと話し合い、この問題の本質を承知していたため、内部で小規模の披露セレモニーを行えと指示しました。実は韓人会館の施設と土地は、市からリースしているので、イベント開催と像の設置にはオーナーである市の同意を得ることが必要であり、またコミュニティの平和を重視する立場からこのような通達を出したものです。しかし反日グループは必死の請願を続け、イベント開催の週の初めに市は妥協して多くの条件を付けて、会館横の市所有のネットボールコートと韓人会館建物内部での披露セレモニーの開催を認めました。条件としては、想定外の事件に対応するための積立金(Bond)の確保、短時間の開催、独自で保安要員を雇うこと、横断幕(バナー)の使用禁止、駐車場の使用禁止、ごみの除去等です。さら保管に際しては建物の中とし、韓人会館会員以外の公衆の目に触れないようにすることと通知しました。韓人会館は講堂(Auditorium)を他の人種、オースラリア人にも誕生会、クリスマスパーティなどのイベント開催用に貸し出しており、対策に苦慮したものと推測します。韓人会館は市に無断でまた貸ししており、これは市とのリース契約に違反しています。
披露セレモニーが終了すると、慰安婦像は韓人会館内に搬入されることなく、そのままクレーンで吊り上げられトラックに載せられ、AshfieldのUniting Churchの敷地内に搬入されました。もともと慰安婦像のキット(青銅の像、ベースの石板、2つの黒色石製銘版、移動用車輪内臓の白木製台車が一体となっている)は大きく、重いため、建物内への持ち込みは不可能と判断したものと思われます。

 

 




2. 慰安婦像の教会への持ち込み

Ashfieldの教会への持ち込みはBill Crews牧師が受け入れを表明していますが、造園工事の完了を待って1年後に移設と反日グループは語っていましたが、それが8月6日に急きょ変更になったのは以上のような事情があったものと推察されます。
教会敷地はUniting Church in Australia Property Trust (NSW) 所有の私有地ですが、豪州の反差別法ではpublic space(公共空間)とみなされます。つまり電車やバス内と同じ扱いです。
ですから私有地だからと言って何を建ててもいいというわけにはいかないわけです。AJCNは教会管轄担当のInner West Councilに多くの情報を提供して、慰安婦像問題に関する懸念を伝えてきました.
今回 市は教会に対し、公道に近い境界には慰安婦像の設置を許可しないことを通知しました。そのため教会は、教会の裏手にある、教会および慈善団体のための専用駐車場の奥に置くことにしました。

この駐車場には一般人も入れますが、普通の人間が道路や広場を歩くようにはいきません。裏道への通り抜けはできず、また裏道から入るにはゲートを開くための電子開錠装置が設置されているため、一般車両と人は入れません。表の教会側からは鉄製の2つのゲートを通って入るので、ここを通って入るのは教会、慈善団体関係者か、その事務所に用事がある人くらいのものです。これらのゲートは施錠されていません。ですからビル牧師は慰安婦像を教会に設置し皆が見られると韓国人グループには言えるわけです。

さらに認識する必要があるのは、ここがただの駐車場ではなく、毎日の炊き出し運搬用バンや荷物トラック、そして荷物の積み下ろしをするフォークリフトが走り回り、慈善団体のスタッフが働いている作業場所だということです。ですから安全のために「ここを人が通れ」という通行区画を示すサインが黄色のペンキで駐車場の周囲の地面に塗られています。慰安婦像キットは今このサインの上にはみ出して、人の安全な歩行を妨害しています。
AJCNは管轄する市の意思を再確認し、教会にどう対処するかを検討します。

反日グループは、8月6日のセレモニーで何度もAJCNの名前を出して我々の活動を日本政府のバックアップを得て行っていると非難しました。彼らは現実の悲惨な像設置現場を見て、今度はキャンベラ国立戦争博物館に展示すべく活動するといきまいています。AJCNはこの設置計画を阻止するための活動を開始しました。

我々のメンバーの80%は女性で母親ばかり、そして彼女達の夫のオージーが家族を守るためにAJCNに加わっています。メンバーの粘り強い努力によって、今回の2つの市の対応を引き出すことができました。ストラスフィールド市での戦いで、公的な空間への慰安婦像設置が困難であるとの認識が定着し、また少なくとも現時点までに像は公衆の目から遠ざけなければならないという複数の市の判断を引き出すことに成功しました。反日グループが取りうる方策はもう個人の住宅のバックヤードに設置することくらいしか残されていないのかもしれません。

なお8月6日のセレモニーにおいて、反日グループは市から指定された条件のうちバナー使用禁止と駐車場使用禁止を無視しました。北朝鮮と関係の深い挺対協の目的は日韓合意つぶしと日韓豪米の政治的離反です。多くの韓国メディアを呼んで「慰安婦像が初めてシドニーに設置された!」と記事にしてもらい、彼らの韓国での寄付金ビジネスの延命を図る、その目的は達成されるかもしれませんが、韓国の異常さをオーストラリア人に認知させてしまったのは、像設置に反対した1/3の良識ある韓人会会員や韓人会に入会していない韓国人のマジョリティにとって大きな痛手となったのではないでしょうか。